こんな方におすすめ
- 会社での自分の立場に迷っている方
- 上司と部下の板挟み状態で自分の立ち位置がわからなくなっている方
- 上司に責任を押し付けられ身動き取れない方
- 言うことを聞かない部下に悩まされている方
会社であなたの立場は何になる?
会社内でいわゆる『会社側の人』『会社側の人間』といわれる人がいます。
『会社側の人』『会社側の人間』とは具体的にはどういった人たちのことを言うのでしょうか?
また、『従業員』として働いているという方もいらっしゃるでしょう。
会社にはそれぞれの立場の方がおり、それぞれの立場で会話をしたり、思いをぶつけあうこともあるのではないでしょうか?
自分の立場をはっきりとさせ、自分のなりの考えと立場の違う人との関係について考えていくことが大切ではないでしょうか。
『会社側の人』って誰のこと?『使用者』の範囲とは
実際には『会社側の人』や『会社側の人間』というものにきちんとした定義はありません。
また、労働法の中にもそのような言葉は出てきませんが、一般的には法律内の『使用者』という言葉で表す方たちのことを『会社側の人間』と呼んでいるという理解でよいかと思います。
では、どのような方が『使用者』に当たるのかということですが…
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実は『使用者』の定義も法律により少しづつ違い、それぞれの法律の中で『使用者』の範囲というものがありますので、一律で『使用者』の定義はこれだ!とは言えません。
ですので、ここでは労働三法の一つでもある労働基準法における『使用者』ということでお話しさせていただきたいと思います。
参考
ちなみに労働法というものは雇用されて働く労働者と雇用する側の使用者との関係をめぐり生じる諸問題を規整する法の総称で労働三法と呼ばれる『労働基準法』『労働組合法』『労働関係調整法』をはじめ、『労働契約法』『労働安全衛生法』『職業安定法』『男女雇用機会均等法』など多数の法律があります。
労働基準法における『使用者』は、労働者を使用する立場にあり、労働の対価として賃金を支払う人を指します。
ポイント
- この条件に当てはまれば、『使用者』ですので、経営者や社長という会社のトップに限らず、役員やそれに準ずる仕事をしている人は『使用者』ということ。
- また、労働者と使用者を兼任している立場の人(工場長や営業部長など)、会社側の立場で業務にあたる従業員(人事担当者や役員秘書など)も『使用者』であるということ。
- 逆に名前は人事担当者や工場長などだとしてもただの上司の伝言役のような場合には『使用者』には当たらないということ。
などです。
実際にはどちらともいいがたいような実態もあるというのが実状ではないでしょうか?
ですので、判断の難しいところは裁判の判例などをもとに個別判断になるということです。
『従業員』とは誰のこと?
それと対比する形で『従業員』という言葉もよく使われますが、『従業員』という言葉もまた、法律上では使用されていません。
こちらは『労働者』という言葉になりますね。
それではまず、労働者について労働基準法から見てみましょう
労働基準法第9条には職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者とあります。
そういった立場の方は正社員であろうとパートタイマーであろうと契約社員であろうとみな『労働者』となります。
『使用される』とは一体どういうこと?どのような基準で判断されるの?
こちらに関しても『使用者』同様、『使用される』とはどういったことかというのは個別判断になりますが、現在は昭和60年12月19日労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」にある基準をもとに判断されたりしているようです。
こちらの労働基準法研究会報告の中に『使用従属性』があるかないかをというのが判断材料となるとありますが、
『使用従属性』とは
①使用者の指揮監督下で労働の提供をすること
- 仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
- 業務遂行上の指揮監督の有無
- 拘束性の有無
- 代替性の有無
②報酬の労務対償性
- 労働の結果による較差が少ない
- 欠勤するとそれ相応の報酬が控除される/li>
- 残業をした際に通常の報酬とは別の手当が支給される
などの基準をもとに総合的に判断されるということです。
どちらにしても会社ごとに実状も違いますし、『使用者』と『労働者』に関しては全く別の立場ということになりますので、言い分が大きく異なることもあるかと思います。
しかし、まったく知識のない状態では絶対に言い負かされてしまうでしょうし、うまくやっていくこともできないでしょう。
自分と会社の立場をしっかり見極め、よりよい関係で仕事をしていけるといいですね。