好かれる人の秘密

メタ認知とは?|自分をフラットに見つめる力が、人間関係を変える

メタ認知とは?|自分をフラットに見つめる力が、人間関係を変える

はじめに|「自分をわかっている人」はなぜ魅力的なのか

「なんかこの人、落ち着いていて感じがいいな」

そんな印象を与える人の多くは、自分自身の状態や感情を客観的に捉える力=メタ認知力が高いと言われます。

本記事では、

  • メタ認知とは何か
  • なぜ人間関係において重要なのか
  • メタ認知力が低い人の特徴
  • 今日からできる鍛え方

について、実践的にお伝えします。

 

 

メタ認知とは?|心理学的な定義と背景

メタ認知(metacognition)とは、「自分の認知を認知すること」、つまり自分の思考や感情の状態を客観的に把握し、それを調整する能力を指します。

心理学者の定義:

  • **ジョン・H・フラベル(Flavell, 1979)**が提唱した概念で、「思考についての思考(thinking about thinking)」と定義。
  • 認知心理学の中核概念の1つであり、学習や問題解決、感情制御にも密接に関わります。

メタ認知の2側面(Nelson & Narens, 1990):

  1. メタ認知的モニタリング(監視):自分の状態に気づく力(例:今、焦っている)
  2. メタ認知的コントロール(調整):それに応じて行動を修正する力(例:深呼吸して落ち着く)

メタ認知が高いと、何が良いのか?|研究データの紹介

【学習との関係】

  • メタ認知力が高い学習者は、理解度を自己評価し、学び方を柔軟に調整できる(Schraw & Dennison, 1994)。
  • つまり、「わからないことを認め、対策をとれる人」は成績が良い傾向がある。

【感情制御との関係】

  • メタ認知は感情調整の基盤でもある。
  • 研究では、自分の感情に気づいて言語化するだけでストレスレベルが下がる(Lieberman et al., 2007)。

【人間関係との関係】

  • 他者との会話中に「自分がどう見えているか」を意識できると、共感力や対人スキルが向上する(Theory of Mind的な視点と重なる)。

(2)セルフ・モニタリング日記

  • 「今日はどんな行動をしたか」「どんな感情があったか」をふり返り、記録する習慣。
  • 認知行動療法やセルフ・リフレクション法でも活用される基本技術。

(3)二重の視点で自問する

  • 「私は今どうしてこう感じている?」「この行動は本当に適切だった?」
  • 認知心理学では、自己と“もう一人の観察者”を使った思考法として知られる。

 

 メタ認知を一言でいうと…自分を一歩引いて見る視点

メタ認知(metacognition)は、簡単に言うと「自分の認知(考えや感情)を認知する」ことです。

たとえば——

  • イライラしている自分に気づき、「今、自分は焦っているな」と言語化できる
  • 相手との会話中、「自分ばかり話しているかも」と気づける
  • 失敗して落ち込んでいるとき、「感情的になっているな」と一歩引いて見られる

このように、自分をフラットに観察する視点」がメタ認知の本質です。


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メタ認知が高い人は、なぜ人に好かれるのか?

(1)感情のコントロールができる

感情に流されず、冷静に対応できる人は信頼されやすくなります。

「イライラしても人にぶつけない」「場の空気を読んで発言できる」などは、メタ認知があってこそ可能です。

(2)コミュニケーションにズレが起きにくい

メタ認知力がある人は「今、自分はどう見えているか」「相手はどう受け取っているか」を意識できます。

この感覚が、空気を読みながらも本音でつながる力につながります。


メタ認知力が低い人にありがちな言動

  • 自分の発言で相手が傷ついているのに気づかない
  • 周囲の空気や表情を読めない
  • 怒りや不満をすぐにぶつけてしまう
  • 自己正当化や他責が多い
  • 「なぜあの人に嫌われたのか」がわからない

これは「自分を客観的に見られていない」ことが原因です。





今日からできる!メタ認知を高める3つの習慣

(1)一日一回、「自分を実況中継」する

たとえば帰宅後に——

「今日は焦っていたな」「つい自慢しすぎたかも」と、自分の言動をふり返って言語化する。

これを続けることで「自分を観察する癖」がついてきます。

(2)「相手の立場だったらどう思う?」を自問する

「もし自分があの人の立場なら、今の自分の態度をどう感じるか?」

これはメタ認知を鍛える定番の問い。

最初は難しくても、続けると感覚がつかめてきます。

(3)感情に名前をつける

「今、イライラしている」「さみしさを感じている」と自分の感情をラベリングするだけで、感情に飲み込まれにくくなります(=感情のメタ認知)。


 

 メタ認知力が高い有名人たち

■ 大谷翔平|自己管理と冷静さのかたまり

プロ野球界のスーパースター・大谷翔平選手。
彼の発言や行動からは、圧倒的な自己理解と感情コントロールの力が伝わってきます。

たとえば、

  • メディアの前でも常に冷静で、淡々と話す
  • 「今の自分にできることは何か?」を考え抜いて行動している
  • チームや周囲にとってのベストを選ぶ視点を持っている

まさに「自分を俯瞰して見ている」人です。

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■ 櫻井翔|立ち位置を見極めるバランサー

嵐のメンバーであり、ニュースキャスターとしても活躍する櫻井翔さん。
彼は、場の空気と自分の立ち位置のバランス感覚に非常に優れています。

  • 自分が“前に出る”ときと“引く”ときを自然に選べる
  • 「自分がどう見られているか」に無意識に気を配っている
  • 番組でも、グループ内でも“調整役”として機能

まさにメタ認知型のコミュニケーターです。

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■ イチロー|自己観察の職人

「プロフェッショナルとは?」と問われたら、イチロー選手を思い浮かべる方も多いはず。

彼のすごさは、自分の状態を観察し、最適な行動を選び続ける姿勢にあります。

  • 失敗したときも感情に流されず、冷静に分析
  • 成功に浮かれず、常に「今の自分」を点検し続ける
  • 記者会見でも、感情に支配されずに淡々と話す

これはまさに、メタ認知の実践者です。


■ 宇多田ヒカル|内省と表現の融合

シンガーソングライター・宇多田ヒカルさんも、深い内省力と表現力の持ち主です。

  • 歌詞には「自分の心を見つめる視点」が多く見られる
  • インタビューでの自己分析が非常に的確
  • 感情をただ吐き出すのではなく、意味を探るような言葉選びをする

まさに、自分の心を「見ている自分」がいる人です。


■ 海外編:バラク・オバマ、エマ・ワトソンなど

海外にも、メタ認知力が高いとされる著名人がいます。

  • バラク・オバマ:冷静で理性的なスピーチ。多様な視点を踏まえた判断力。
  • エマ・ワトソン:自らの影響力を自覚しながら発信する力、社会的視点と内省力のバランスが高い。

いずれも「自分がどう見られているか」「何を伝えるべきか」を常に考えて行動しているのが伝わってきます。


 メタ認知力が高い人の共通点とは?

  • 自分の状態や感情に気づける
  • 他者視点を持てる
  • 感情を言語化できる
  • 自分をコントロールできる

これらは、日々の習慣や考え方次第で身につけることが可能です。


 まとめ|“自分を見つめる力”は、人を成長させる そして人間関係の「土台」

メタ認知力は、決して特別な人だけの能力ではありません。

「今、自分はどう感じているか?」「どんな行動をしているか?」に意識を向けるだけで、少しずつ育っていきます。

 

大谷翔平や櫻井翔のように、

「一歩引いて自分を見る習慣」を身につけることが、

人生をしなやかに生きるヒントになるかもしれません。

 

人に好かれる、信頼される、空気が読める……

これらはすべて、「自分を客観視する力=メタ認知」が支えています。

 

大切なのは完璧になることではなく、

自分を見つめる習慣」をコツコツ続けること

気づける人は、自然と周囲からも信頼されていきます。

 

引用・参考文献(簡易)

  • Flavell, J. H. (1979). Metacognition and cognitive monitoring. American Psychologist
  • Nelson, T. O., & Narens, L. (1990). Metamemory framework. Psychology of Learning and Motivation
  • Lieberman, M. D., et al. (2007). Putting feelings into words. Psychological Science
  • Schraw, G., & Dennison, R. S. (1994). Assessing metacognitive awareness. Contemporary Educational Psychology

 

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