愛され人の教科書

世界が進めるSEL教育に学ぶ“心の力”の育て方

はじめに

私は「愛され人の教科書」の今後を考えていく中で、海外で行われている SEL教育(Social & Emotional Learning:社会性と情動の学び) という取り組みを知りました。

調べていくうちに驚いたのは、SEL教育が大切にしている内容が、私が「愛され人の教科書」で伝えたいと考えていたことと、ほとんど同じだったということです。

自己理解、感情の扱い方、共感力、人間関係、コミュニケーション──。
どれも私自身が大切にしてきたテーマであり、まさに“幸せに生きるための土台”そのものです。

世界の教育が大切にしていることと、自分が目指してきた方向が一致している。
その事実は、私にとって大きな勇気と確信になりました。

ここでは、世界で広がるSEL教育とは何か、そして「愛され人の教科書」とどのように重なるのかをお伝えしていきたいと思います。


愛され人の教科書

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1. SEL教育とは何か

SEL教育とは、子どもたちが「自分の感情と上手につきあい、人と健全な関係を築き、より良い判断ができるようになる力」を育てる教育のことです。

学校では国語や算数、理科など学びますが、「自分の気持ちを整える方法」や「他人とうまく関わる方法」は、教科として学ぶ機会がほとんどありません。

SEL教育は、この“心の領域”に光を当てるものです。

海外では、学力だけでなく「心の力こそ人生の基盤になる」と考えられており、学習内容の中心として扱われています


2. SELを構成する5つのスキル

SEL教育は、以下の5つの力を育てることを軸としています。

① 自己理解(Self-awareness)

自分の感情や考えに気づき、自分を理解する力。
「私はいま不安なんだ」「これは嫌だ」と素直に認識できることが、自己肯定感の土台になります。

② 自己管理(Self-management)

怒り・不安・ストレスなどの感情をコントロールし、落ち着いて行動する力。
衝動的な行動を抑えたり、気持ちを切り替えたりするスキルです。

③ 社会的認識(Social awareness)

他者の気持ちを理解し、相手の立場に立って考える力。
共感力、人への思いやり、多様性の尊重がここに含まれます。

④ 対人関係スキル(Relationship skills)

聞く・伝える・断る・助けを求めるなど、人と関わる力。
健全な人間関係を築き、協力し合う基盤となります。

⑤ 責任ある意思決定(Responsible decision-making)

状況を冷静に判断し、より良い選択をする力。
自分にも相手にもプラスになる行動を選べるようになります。

この5つのスキルは、どれも「生きる力」をつくる重要な要素です。


3. 世界の教育がSELを取り入れている理由

アメリカ、カナダ、シンガポール、オーストラリア、フィンランドなど、多くの国がSEL教育を取り入れています。

その背景には、次のような理由があります。

  • 学力より先に「心の安定」が必要であること

  • 自己肯定感が高い子どものほうが学習意欲が高いこと

  • 共感力や協働性が将来の仕事で重要になること

  • 心の教育がいじめや不登校の予防につながること

  • 感情を言語化できる子のほうが人間関係が安定すること

つまり、SELは「幸せに生きるためのスキルである」と世界では捉えられているのです。


4. 日本の現状

一方の日本では、SEL教育はまだ十分に広がっていません。

高校や大学で一部取り組まれているところはありますが、
小学生や家庭向けの体系的なSEL教育は、ほぼ存在しません。

また、学校が忙しすぎて「心の教育」まで手が回らない現状もあります。
親自身も感情の扱い方やコミュニケーションを学ぶ場が少ないため、
家庭でまた、大人になってからどう向き合えばいいのか迷う方も多いのが実情です。

こうした背景から、日本では
心の土台を育てる教育が大きく不足している”
と言わざるを得ません。


愛され人の教科書の“学び”と“理念” ― 見て、知って、感じて。そして繰り返す―

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5. 「愛され人の教科書」は日本版SELである

私はSEL教育を知り、強い確信を持ちました。

「愛され人の教科書」で私が伝えたいことは、まさにこのSELと同じ“心の力”だということです。

自分の気持ちに気づくこと。
感情を整理すること。
人の気持ちに寄り添うこと。
自分の考えを言葉にすること。
人とつながるコミュニケーション力を育てること。

これらは、子どもが幸せに生きるための根っこであり、
大人になってからもずっと必要になる“一生もののスキル”です。

そして、学校教育だけでは補いきれない部分でもあります。

だからこそ、私は家庭や親子の時間を通じて、
日本らしい温かいアプローチでSELを広げていきたいと考えています。

「愛され人の教科書」は、
日本の子どもたちに寄り添った 日本版SEL として、
これからも進化させていきたいと思っています。


おわりに

海外の教育に学びながら、
日本の子どもたちがもっと自分を好きになり、
人と豊かにつながれる未来をつくりたい。

そのために、心の教育は欠かせません。

「愛され人の教科書」は、
子どもたちが自分の優しさにも、誰かの優しさにも気づける場所にしたい。
そんな思いを胸に、これからも学び続け、発信し続けていきたいと思います。


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