愛され人の教科書

「いい子」「悪い子」ラベルとは? 〜“評価”ではなく“存在”を認める関わり〜

子どもは「優しいね」「しっかりしてるね」と言われると嬉しくなります。
けれど、その言葉がプレッシャーになることもあります。

逆に、「わがままだね」「落ち着きがない」などの言葉は、
子どもの心に“自分はダメなんだ”という印象を残してしまいます。

1973年、心理学者ロゼンハンが行った実験は、
「ラベルが人の見方を大きく変える」ことを証明しました。
その心理は、子どもの心にも深く影響しています。


「ロゼンハン実験」〜“ラベル”が人の見方を変えてしまう心理〜

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🌱“いい子ラベル”がもたらすプレッシャー

「優しい子」「しっかり者」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」
そんな言葉は、一見ほめ言葉のようで、
子どもを「いい子」でいさせようとする枠になることがあります。

💭「怒ったら、優しい子じゃなくなっちゃう」
💭「泣いたら、しっかり者じゃなくなっちゃう」
💭「我慢しなきゃ、がっかりされるかも」

そんな思いが積み重なると、
子どもは「本当の気持ち」を出せなくなり、
“いい子の仮面”を被ったまま大人になってしまうこともあります。


🍂“悪い子ラベル”が奪う自己信頼

一方で、「落ち着きがない」「扱いにくい」「問題児」などの言葉も、
子どもの心に深い傷を残します。

どんなに頑張っても、「どうせまた怒られる」と感じるようになると、
子どもは行動を変えるより、“自分はダメな人間だ”と信じてしまうのです。

「ラベル」は評価のようでいて、
子どもの“存在そのもの”を否定するメッセージになりかねません。


🌿いい子でも悪い子でもない、“ひとりの人”として

「いい子」も「悪い子」も、本当はいません。
いるのは、“そう見えているその瞬間の子ども”だけ。

子どもは、心の安全があるときほど、
自然と優しさも思いやりも出てきます。
逆に、心が不安なときは、
泣いたり、怒ったり、動き回ったりするものです。

それを“性格”や“問題”と決めつけず、
「今、この子は何を感じているんだろう?」と見つめることが、
本当の意味での“理解”です。



💗親にできること

🌸 「いい子でいなくても大丈夫だよ」
この一言が、子どもの心をいちばん軽くします。

そして「悪い子」だと思ったときほど、
「それでもあなたは大切だよ」と伝えることが、
子どもの“存在の安心”を育てます。

🌿ポイント


子どもを「いい子」「悪い子」と評価することは、
一時的な指標にはなっても、心を縛ることがあります。<br>
“評価”ではなく、“存在”を認める関わりが、
子どもの自己肯定感を育てます。


🌈ラベルを“信じる力”に変える

ロゼンハンの実験が教えてくれたのは、
人はラベルを通して他人を見てしまうという心理。
でもその“見方”を変えれば、
ラベルは人を変える“力”にもなります。

「優しい子」「頑張り屋さん」という言葉も、
“信じる視線”とセットで使えば、
子どもを伸ばす魔法の言葉になります。

✨ラベルは、呪いにも、魔法にもなる。
それを決めるのは、大人のまなざしなのです。


🌸その子が“その子らしく”生きていけるように

子どもが「ありのままの自分」でいられる言葉がけを、
私たち大人が意識できたら──。

きっと、子どもは“いい子”や“悪い子”ではなく、
**「自分らしい子」**として生きていけます。

それは「できる・できない」や「良い・悪い」ではなく、
その子が、その子のままで輝けることを信じるまなざし。

子どもが自分のことを好きになれるように。
自分らしく生きていけるように。

🌿私たちが贈る言葉が、その最初の“魔法”になります。

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